製品のデザインや設計なども顧客企業の近くに拠点を構える動機の一つとなっている。
また、EMSが生産する製品が高度化するにともなって、途上国におけるエネルギーなどのインフラ整備の不十分さが、EMSにとって途上国の魅力を相対的に失わせているという点もある。
以上概観したように、EMSは電機・電子産業分野で無視できない存在となってきている。
そして、多くのEMSが低賃金・低コストをその立地条件の一つとし、それを競争力としていることから、EMSで働く従業員の賃金、労働条件と雇用に対して、労働組合としては大きな関心をいだかざるをえない。
また、電機・電子産業分野でEMSの活用、アウトソーシングがすすむことによって、その顧客である各メーカーで人員削減がすすめられたり、EMSの低賃金が顧客メーカーで働く組合員・従業員の労働条件引き下げ圧力として働くことの懸念も、労働組合としては払拭することができない。
こうした問題意識や懸念が、IMFに、ContractManufacturingに関する研究チームを発足させた動機である。
IMFがEMSの研究をはじめたのには、もう一つ動機がある。
IMFにとって、組織拡大と国際的な分野での労働運動の社会的ステータスの向上は重要な運動テーマである。
EMSの拡大が既存の労働組合組織の弱体化につながったり、新たな組織化を困難にしないかとの問題意識がIMF内部には強く存在する。
IMFが組織化している組合員がEMSにアウトソーシングされても引き続き組合組織を維持していくことは可能なのか。
EMSの多くが組織化されていないだけに、また電機・電子産業はIMFにとって有力な組織化ターゲットであるだけに、この点についてIMF内部は強い問題意識をもっている。
国際労働運動として、こうした課題にどう対応していくのか、IMFとしての議論ははじまったばかりであり、まだ明確な見解や方針を見出すにはいたっていない。
ただ、これまで開催された検討委員会では、下記のような議論が行なわれている。
EMSへの業務のアウトソーシングや、EMSがその仕事をより人件費の安い国に移転させることは、雇用の喪失につながる可能性が高い。
もちろん、EMSへ仕事がアウトソーシングされても、海外へ移転されても、代わりの仕事が確保されていれば問題は少ない。
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